あなたは"エクソシスト"という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
エクソシスト(exorcist)とは、キリスト教、特にカトリック教会の用語で、エクソシスムを行う人のことです。エクソシスムとは「誓い」「厳命」を意味するギリシャ語であり、悪魔にとりつかれた人から、悪魔を追い出して正常な状態に戻すことをいいます。現在のカトリック教会では、洗礼式の時に悪霊を拒否する誓約があります。 かつてはカトリック教会の下級叙階の位階の一つとして存在し「祓魔師」(ふつまし)と訳されました。カトリック教会の厳密なエクソシスムは教会法に沿ってなされるもので、叙階された司祭が、司教の特別な認可を受け、医学的なケアの上、行うことができます。カトリック教会のエクソシスムは、叙階の秘跡により司祭に与えられた権能ではありますが、教会の判断によりエクソシストが任命されることもあります。1973年に公開された映画『エクソシスト』が非常に有名です。
悪魔に取りつかれた人は以下の4つの症状を発症します。
1.人智を超えた力を発揮する。
2.依頼者自身の本来の声とは違う声で話す。または知らない言語で話す。
3.遠い場所での出来事など、依頼者が知り得ないあらゆる事実を知っている。
4.神聖なものに対して冒涜的な怒りを感じる.。
エクソシストは、「聖書」「聖水」「聖油」「十字架」を用いながら「神への祈り」によって悪霊を追い出します。
日本では「悪霊追い出し」の場面を目にすることはまずないので、多くの日本人は悪霊の存在を否定することでしょう。しかしながら、悪霊は本当に実在します。悪霊は非常に危険な存在です。軽い気持ちで向き合って良い存在ではありません。人間には、悪霊に打ち勝つ力はありません。悪霊に打ち勝ち、悪霊を追い出すことができる唯一のお方は、神イエス・キリストだけです。イエスが悪霊に出て行くように命令すれば、悪霊は取りついている人から素直に出て行きます。イエス・キリストは真のエクソシストであられます。次の聖書箇所を見てください。
新約聖書ルカの福音書8章26-39節
こうして彼らは、舟で、ガリラヤの反対側にあるゲラサ人の地に着いた。イエスが陸に上がられると、その町の者で、悪霊につかれている男がイエスを迎えた。彼は長い間、服を身に着けず、家に住まないで墓場に住んでいた。彼はイエスを見ると叫び声をあげ、御前にひれ伏して大声で言った。「いと高き神の子イエスよ、私とあなたに何の関係があるのですか。お願いです。私を苦しめないでください。」それは、イエスが汚れた霊に、この人から出て行くように命じられたからであった。汚れた霊はこの人を何回も捕らえていた。それで彼は鎖と足かせでつながれて監視されていたが、それらを断ち切っては、悪霊によって荒野に駆り立てられていた。イエスが「おまえの名は何か」とお尋ねになると、彼は「レギオンです」と答えた。悪霊が大勢彼に入っていたからである。悪霊どもはイエスに、底知れぬ所に行けと自分たちにお命じにならないようにと懇願した。ちょうど、そのあたりの山に、たくさんの豚の群れが飼われていたので、悪霊どもは、その豚に入ることを許してくださいと懇願した。イエスはそれを許された。悪霊どもはその人から出て、豚に入った。すると豚の群れは崖を下って湖へなだれ込み、おぼれて死んだ。
飼っていた人たちは、この出来事を見て逃げ出し、町や里でこのことを伝えた。人々は、起こったことを見ようと出て来た。そしてイエスのところに来て、イエスの足もとに、悪霊の去った男が服を着て、正気に返って座っているのを見た。それで恐ろしくなった。見ていた人たちは、悪霊につかれていた人がどのように救われたか、人々に知らせた。ゲラサ周辺の人々はみな、イエスに、自分たちのところから出て行ってほしいと願った。非常な恐れに取りつかれていたからであった。それで、イエスが舟に乗って帰ろうとされると、悪霊が去ったその人は、お供をしたいとしきりに願った。しかし、イエスはこう言って彼を帰された。「あなたの家に帰って、神があなたにしてくださったことをすべて、話して聞かせなさい。」それで彼は立ち去って、イエスが自分にしてくださったことをすべて、町中に言い広めた。
ある日、イエスがガリラヤ湖の反対側(ガリラヤから南東方向)へ行かれると、悪霊に取りつかれた人がイエスを迎えます。悪霊に取りつかれた人はイエスを見るやいなや恐れわななき、イエスの前にひれ伏します。悪霊はイエスに見逃してくれるように懇願します。というのも、イエスは悪霊を「底知れぬ所(簡単に言えば地獄)」に落とす権威をお持ちであったからです。そこで悪霊は豚に入ることをイエスに申し出ます。豚は汚れた動物であると考えられていました。イエスが許可されたので、悪霊は豚に入り、そのまま自滅しました。「悪霊がイエスを恐れた」という事実が肝心なところです。悪霊は強力な存在ですが、イエスよりも劣っている存在であるのです。また、この時イエスが追い出された悪霊は非常に強い力を持っていました。そのことは彼らの名前からわかります。彼らの名は「レギオン」でした。レギオンとは、ローマ軍団のことであり、古代ローマにおける軍隊のうち陸軍の基本的な編成単位のことです。1つの軍団は、時代によっても異なりますが、帝政ローマ時代では1つの軍団は10のコホルス(大隊)から構成され、騎兵200強を含めたおよそ5,000から6,000人の軍団兵がいました。つまり、「レギオン」と名乗る悪霊は、非常に強力であったことを暗示していました。その強さは、鎖と足かせを余裕で断ち切るほどでした。そんな強力な悪霊をイエスはいとも簡単に追い出されたのですから、神イエス・キリストは最強のエクソシストであると言うことができます。イエスにかかれば、どんな強力な悪霊をも追い出すことができます。
ですから、もしあなたが悪霊に取りつかれていることで悩まれているのならば、イエス様に助けを求めて祈ってください。そうすれば、イエス様があなたの内にいる悪霊を追い出してくださいます。また、イエスを信仰する者には悪霊を追い出す力が与えられます。
新約聖書ルカの福音書9章1,2節
イエスは十二人を呼び集めて、すべての悪霊を制して病気を癒やす力と権威を、彼らにお授けになった。そして、神の国を宣べ伝え、病人を治すために、こう言って彼らを遣わされた。
新約聖書ルカの福音書10章1-3節
その後、主は別に七十二人を指名して、ご自分が行くつもりのすべての町や場所に、先に二人ずつ遣わされた。そして彼らに言われた。「収穫は多いが、働き手が少ない。だから、収穫の主に、ご自分の収穫のために働き手を送ってくださるように祈りなさい。さあ、行きなさい。いいですか。わたしがあなたがたを遣わすのは、狼の中に子羊を送り出すようなものです。
新約聖書ルカの福音書10章17-20節
さて、七十二人が喜んで帰って来て言った。「主よ。あなたの御名を用いると、悪霊どもでさえ私たちに服従します。」イエスは彼らに言われた。「サタンが稲妻のように天から落ちるのを、わたしは見ました。確かにわたしはあなたがたに、蛇やサソリを踏みつけ、敵のあらゆる力に打ち勝つ権威を授けました。ですから、あなたがたに害を加えるものは何一つありません。しかし、霊どもがあなたがたに服従することを喜ぶのではなく、あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい。」
新約聖書マルコの福音書16章14-20節
その後イエスは、十一人が食卓に着いているところに現れ、彼らの不信仰と頑なな心をお責めになった。よみがえられたイエスを見た人たちの言うことを、彼らが信じなかったからである。それから、イエスは彼らに言われた。「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい。信じてバプテスマを受ける者は救われます。しかし、信じない者は罪に定められます。信じる人々には次のようなしるしが伴います。すなわち、わたしの名によって悪霊を追い出し、新しいことばで語り、その手で蛇をつかみ、たとえ毒を飲んでも決して害を受けず、病人に手を置けば癒やされます。」
主イエスは彼らに語った後、天に上げられ、神の右の座に着かれた。
弟子たちは出て行って、いたるところで福音を宣べ伝えた。主は彼らとともに働き、みことばを、それに伴うしるしをもって、確かなものとされた。〕
イエスを信仰する者は、イエスの代理人として、イエスの権威を行使し、悪霊を追い出すことができます。悪霊に取りつかれている方は、イエスを信仰するキリスト者に相談されることをお勧めします。また、イエスを信仰するキリスト者の方は、イエスから与えられている権威・力を無駄にせず、自ら進んで悪霊を追い出していきましょう。
私たちには神イエス・キリストがついておられますから、悪霊を必要以上に恐れなくて大丈夫です。大船に乗った気持ちで安心して、日々の生活をキリストと共に歩みましょう。
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